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: レスポンスをつくる : XSPECとレスポンス : grppha を使って binnig をする  ; 目次


スペクトルをたしてみよう

スペクトルをたすには、mathpha という FTOOLS をつかいます。 たすスペクトルどうしは、ゲイン、channel数が同じであることを前提とします。 spec1.pi と spec2.pi を足すことを考えます。

  sonobe@izayoi 301 > mathpha
  ** MATHPHA 4.0.1
  Expression to be evaluated[] spec1.pi + spec2.pi      ←(1)
  Units algebraic expression to be performed in (C,R,F or Help)[C] C  
  O/p PHA filename[] sum_spec.pi                        ←(2)
  Exposure time flag/value[] CALC                       ←(3)
  Areascal flag/value ({value},{file},NULL or Help)[%] NULL
  Number of comment strings to be added (up to 4)[1]    ←(4)
  Comment 1[] I am Sonobe                               ←(5)
   ...... processing file: spec1.pi
   ...... processing file: spec2.pi
  ... performing algebra in units of COUNTS
  ** FILOP 2.0.0   WARNING:
   ... Poissonian errors with N<20 assumed  for:
   ...... channels     1.-   17.
   ...... channels   673.-  675.
   ...... channels   678.-  678.
   ...... channels   682.-  683.
   ...... channels   688.-  689.
   ...... channels   691.-  691.
   ...... channels   694.-  694.
   ...... channels   698.-  705.
   ...... channels   707.-  711.
   ...... channels   713.-  716.
   ...... channels   718.-  719.
   ...... channels   721.-  728.
   ...... channels   730.- 1024.
   ... written the PHA data Extension
  ** MATHPHA 3.0.2   Finished
(1)では、spec1.pi と spec2.pi をたしますよ、という式をいれます [*]。 (2)では、出力ファイルネームを指定します。 (3)では、CALC [*]とすると、(1)の演算にしたがって exposure を計算し出力ファイルに書き込みます。 (4)では、出力ファイルにコメントを書きたい場合に 1〜4 (行)を指定 [*]します。 (5)では、コメントに書く文字を書きます。 以上で sum_spec.pi ができます[*]

mathpha を使って作ったスペクトルを XSPEC で background スペクトルとして 使用する場合は注意が必要です。 そのまま使うと、ERROR で落ちるか、back として引いたはずなのに 引かれていないことがあります。 これは、BACKSCALというパラメーターが正しく書き込まれなかったためです。


   BACKSCAL=             1.000000 / background file scaling factor
BACKSCALは、検出器面上での面積に相当する factor で、バックグラウンドの引き算の時に使われます[*]。 XSPEC では、BACKSCALを使い、バックグラウンドを次のようにして、引いています。
C(I) = D(I)/$t_D$ - $b_D$ / $b_B$ ・B(I)/ $t_B$  ;;

ここで、D(I)、B(I)はあるエネルギーbin、Iでの、データ、バックグラウンドのカウント数、$t_D$$t_B$は観測時間、$b_D$$b_B$はBACKSCALです。

ですから、仮に、同じイメージ領域をとっているのに data で読んだスペクトルのこの factor が 1.0 で background のスペクトルのこの factor が 0.1 だと、 XSPEC で background を引いたときは、backgorund のカウントレートが 10 倍されて 引かれてしまいます [*]。 ですから、mathpha で作ったスペクトルは、 このキーワードを適当な値に変えなければなりません。 たとえば、つぎのようにします。


   sonobe@izayoi 308 > fparkey 1.0 sum_spec.pi BACKSCAL
こうすると、``BACKSCAL''の値が 1.0 になります。 ちなみに、fparkey は FTOOLS です。



WATANABE Manabu 平成12年8月10日