「あかつき」電波科学データアーカイブ

このページでは、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)に搭載されている超高安定発振器(USO)を用いて行われた電波科学実験(RS)によって得られた科学データを提供します。

機器の概要

RSは超高安定発振器(USO)により可能となる電波掩蔽観測を実施し、 金星大気の鉛直構造を調べることを狙いとしています。

データダウンロード、メタデータ、引用情報

プロダクトレベルの定義

Level 1 (l1)
生データ: 探査機から受信した信号に探査機から送信された周波数に近い周波数の正弦波信号をかけ、低周波のうねり信号を得て、 それを高サンプリング周波数で記録する。
Level 2 (l2)
受信信号の周波数と強度、そして金星大気のみによって引き起こされた周波数変動のデータ: 受信信号の周波数と強度はスペクトル解析によって得られる。 これらの信号には、探査機の軌道運動による寄与と金星大気による寄与の両方が含まれている。 金星大気のみによって引き起こされた周波数変動は探査機の軌道運動による寄与を差し引くことによって得られる。
Level 3 (l3)
屈折角の鉛直プロファイルと中性大気の鉛直密度プロファイル: SPKから計算される軌道運動、電波の出射角、屈折角、インパクトパラメタはLevel 2データから計算される。 金星大気の組成についての知識を用いて、中性大気の密度プロファイルも計算される。
Level 4 (l4)
大気の温度、気圧、H2SO4蒸気の混合比の鉛直プロファイル: 静水圧平衡を仮定して圧力の鉛直プロファイルが密度プロファイルが、 また、状態方程式を用いて大気の温度プロファイルが計算される。 受信信号の強度から、CO2とH2SO4による電波の吸収率が計算される。 CO2による吸収率の温度依存性に関する知識を用いて、H2SO4の混合比の鉛直プロファイルが計算される。

ファイル命名規約

ファイル名は"RS_DATE_TIME_GS_LEVEL(_KIND)_VER.EXT"という形式に従う。

DATE
データが取得された日付 ("YYYYMMDD"フォーマット、UTC)。YYYYは西暦を4桁で表わしたもの (2010 -- 20??)、MMは月を2桁で表わしたもの (01 -- 12), DDは日を2桁で表わしたもの (01 -- 31): 例えば、2015年12月07日は20151207とする。
TIME
データが取得された時刻 ("hhmmss"フォーマット、UTC)。hhは時間を2桁で表わしたもの (00 -- 23)、mmは分を2桁で表わしたもの (00 -- 59)、ssは秒を2桁で表わしたもの (00 -- 60): 例えば、05時19分52秒は051952とする。
GS
電波を受信した地上局の略称: udsc64, idsn32, whm30.
LEVEL
プロダクトレベル: l1, l2, l3, l4.
KIND
データのタイプ: L1で右旋円偏波成分はrhcp, 左旋円偏波成分はlhcp。 L3でingress時に取得された場合はi、egress時に取得された場合はe。 L4でingress時に取得された大気の温度はai、egress時はae、 ingress時に取得されたH2SO4蒸気混合比はpi、egress時はpe、 ingress時に取得された電子密度はii、egress時はie。
VER
バージョン文字列: "バージョン 1.0"の場合はv10。
EXT
ファイルタイプを表す拡張子: テーブル形式のテキストファイルはtab、PDFファイルはpdf、PDS3ラベルファイルはlbl、PDS4ラベルファイルはxml。

データ処理ツール

関連論文

論文リストをご覧ください。

コンタクト

このアーカイブに関する質問の宛先:

村上 真也, 宇宙航空研究開発機構, murakami.shinya _AT_ jaxa.jp
山本 幸生, 宇宙航空研究開発機構, yamamoto.yukio _AT_ jaxa.jp

このデータに関する質問の宛先:

今村 剛, 東京大学, t_imamura _AT_ edu.k.u-tokyo.ac.jp