「あかつき」SPICEデータアーカイブ

このページでは、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の軌道・姿勢・その他付帯情報を納めたSPICEカーネルを提供します。

概要

金星探査機「あかつき」SPICEデータアーカイブは、観測の幾何情報やその他の付帯情報をSPICEカーネルの形でアーカイブしています。

データダウンロード、メタデータ、引用情報

SPICEカーネル

このセクションは " vco-v-spice-6-v1.0/vcosp_1000/catalog/spiceds.cat " と " vco-v-spice-6-v1.0/vcosp_1000/extras/mk/mkinfo.txt "を元に翻訳したものです。

CK

5種類のC-kernelファイルがこのアーカイブで提供されます: テレメトリーから生成された探査機姿勢のreconstructed CK、 地上から送られたコマンドの履歴(計画値)から生成された探査機姿勢のpredicted CK、 テレメトリーから生成された探査機の太陽電池パドルの向きのreconstructed CK、 探査機の太陽電池パドルの向きのノミナルCK、 地上から送られたコマンドの履歴(計画値)から生成された2つの中利得アンテナの向きのpredicted CKです。 以下にかんたんな説明があります。詳細は ``data/ck/ckinfo.txt'' にあります。

すべてのreconstructed CKファイルは探査機からダウンリンクされた工学テレメトリから生成されています。 探査機の工学テレメトリベースの計測値によくあることですが、計測値の精度について少なからぬ不確かさが存在していて、 データ品質(精度と完全性)は顕著に変わりえます。

すべてのpredicted CKは地上から送られたコマンドの履歴から生成されています。

探査機バスのreconstructed CKファイル

探査機バスの姿勢を提供するCKファイル(``vco_YYYY_vVV.bc'')は、科学観測により得られたデータの解釈に有用です。 ダウンリンクレート・探査機の姿勢や設定などに応じたサンプリングレートで、探査機運用を通じて生成されます(最大で0.5 Hz)。

探査機バスのpredicted CKファイル

探査機バスの姿勢を提供するCKファイル(``vco_YYYY_pred_vVV.bc'')は、科学観測により得られたデータの解釈に有用です。 これらは姿勢制御コマンドの履歴から生成されています。 これらのCKファイルは、探査機姿勢のreconstructed CKファイル中のギャップ(つまり、データ点がまったくない期間)をカバーします。

太陽電池パドルの向きのreconstructed CKファイル

これらのCKファイル(``vco_sap_YYYY_vVV.bc'')は、+Y面に取り付けられた太陽電池パドル(SAP1)と-Y面に太陽電池パドル(SAP2)の向きを提供します(探査機バスからの相対的な向き)。 ダウンリンクレート・探査機の姿勢や設定などに応じたサンプリングレートで、探査機運用を通じて生成されます(最大で0.5 Hz)。

太陽電池パドルのノミナルの向きのCKファイル

これらのCKファイル(``vco_sap_nominal_vVV.bc'')はSPICEシステムのダイナミック・フレーム ``VCO_SAP_NOMINAL''に対するSAP1とSAP2のノミナルの向きを提供します。

Xバンド中利得アンテナの向きのreconstructed CKファイル

これらのCKファイル(``vco_xmga_YYYY_vVV.bc'')はXバンド中利得アンテナA(XMGA-A)とXバンド中利得アンテナB(XMGA-B)の向きを提供します(探査機バスからの相対的な向き)。 これらはコマンド履歴から生成されています。

EK

PLANET-CプロジェクトチームはEKファイルを生成していません。従って、このデータセットはいかなるEKファイルも含みません。

FK

このデータセットに含まれるFKファイルは、 金星探査機「あかつき」の探査機フレームと金星固定座標系(Venus body-fixed frame)の定義を提供します。 FKファイル内のコメントは、フレームの仕様・フレーム間の関係の記述・取り付けアラインメント情報の源泉と精度などを提供します。

``vco_spacecraft_vVV.tf''というファイル名のFKは、金星探査機「あかつき」のフレームと探査機構体と科学機器のフレームを定義します。

``rssd0002.tf''というファイル名のFKは、ESAの惑星ミッションのための一般的なフレームを定義したカーネルで、金星固定座標系を定義します。

追加の情報が``data/fk/fkinfo.txt''にあります。

IK

このデータセットに含まれるIKファイルは、金星探査機「あかつき」に搭載された機器の光学的および物理的な機器パラメタと、(もしそういうものがある場合は)視野の大きさ、形状、そして向きを提供します。 各々のIKファイルには、含まれているパラメタと視野とフレームの仕様の説明がコメントとして記載されています。

このデータセットに含まれているすべてのIKファイルはPLANET-Cプロジェクトチームにより作られています。 電波科学(RS)で使用される超高安定発振器(USO)を除いて、1つの機器につき1つのIK (``vco_uvi_vVV.ti'', ``vco_ir1_vVV.ti'', ``vco_ir2_vVV.ti'', ``vco_lac_vVV.ti'', ``vco_lir_vVV.ti'') があります。

追加の情報が``data/ik/ikinfo.txt''にあります。

LSK

このデータセットに含まれるLSKファイルは、「うるう秒」の最新のテーブルと このデータセットが作成された時点(2017年2月)での暦表時(ET)と協定世界時(UTC)の間の時刻の変換に用いられる他のデータを提供します。

どのようにLSKデータが取得あるいは計算されたかを記述するメタデータが、LSKテキストファイル内に含まれています。 SPICE LSKファイルにより提供される時刻変換は約0.000030秒の精度があります。

追加の情報が``data/lsk/lskinfo.txt''にあります。

PCK

このデータセットに含まれるPCKファイルは、ミッションターゲットである金星および太陽系の惑星と衛星の大きさ・形状・向きのデータを提供します。 これらのデータ項目とその源泉に対する参照情報は、PCKファイル内にて いかなるワードプロセッサ・テキストエディタ・テキスト表示ユーティリティを使っても表示できるシンプルなテキストファイルで提供されます。

2つのタイプのPCKファイルがこのデータセットで提供されます: 2011年10月21日現在のIAU/IAG/COSPAR公式の値を含むgenericなPCKファイル(``pck00010.tpc'')と、 金星探査機「あかつき」のミッションで使用されているGM値を格納した、「あかつき」ミッション用のファイル(``vco_gm_de431_v01.tpc'') で、これはNAIFが提供するgeneric PCKと「あかつき」ミッション用のパラメタの両方を含みます。

追加の情報が``data/pck/pckinfo.txt''にあります。

SCLK

このデータセットに含まれるSCLKファイルは 暦表時(ETと金星探査機「あかつき」の探査機時刻(SCLK) の間の時刻の変換に必要なデータのテーブルを提供します。 このファイルはPLANET-Cプロジェクトチームによって作成され、``vco_vVV.tsc''と命名されています。 このファイルによって提供される変換テーブルの精度と問題はファイル内のコメント部で議論されています。

追加の情報が``data/sclk/sclkinfo.txt''にあります。

SPK

2種類のSPKファイルがこのアーカイブで提供されます: 惑星の軌道暦のSPK、探査機の確定軌道のSPKです。 以下にかんたんな説明があります。詳細が``data/spk/spkinfo.txt''にあります。

惑星のSPK

DE423とDE430の両方からのデータを含む惑星の軌道暦SPKファイルのカスタムバージョンspk/vco_de423_de430.bspがこのアーカイブに含まれています。(註: チームはミッションの途中までDE423を使用し、途中からDE430を使用しています。詳細はバイナリSPKのコメント領域を参照してください。)

探査機の確定軌道のSPK

これらのSPKは探査機の軌道暦だけを含む、最新の公式な確定軌道のSPKファイルです。 これらは再構成した確定軌道のシリーズをつなげて生成されています。 これらのバイナリファイルには、コメント領域に詳細な情報があります。

追加の情報が``data/spk/spkinfo.txt''にあります。

軌道番号ファイル

アーカイブ準備時に ミッションの軌道周回フェーズをカバーする探査機のSPKファイルを入力ファイルとして NAIFのORBNUMユーティリティプログラム を用いて生成された軌道番号ファイルが提供されています。 これらのファイルは``extras/orbnum''ディレクトリにて提供されます。

軌道番号ファイルについての詳細情報は、``extras/orbnum/orbinfo.txt''を参照してください。

メタカーネルファイル

この金星探査機「あかつき」(PLANET-C)データセットに含まれるアーカイブされたカーネルの一覧を提供し、 高レベルのSPICEデータローダルーチンFURNSHを介してSPICEベースのアプリケーションで読み込むのに適した メタカーネルファイル("furnsh"ファイルとしても知られる)が提供されます。 これらのメタカーネルを使うことで、すべてのミッションの幅広いSPICEデータコレクションを1行でロードできます。 このデータセットにアーカイブされているテキストカーネルのように、これらのメタカーネルはラインフィード文字 LF (ASCII 10)で終端された行をもつUNIXテキストファイルです。

このディレクトリで提供されるメタカーネルの名称は以下のパターンに従います: vco_vVV.tm (``VV''はファイルバージョン)

メタカーネルは複数バージョンが存在しえます。 のちのリリースでアーカイブに新しいカーネルが追加された場合、そしてそれらを取り込むためにメタカーネルが更新されるときに新しいバージョンが生成されます。 新しいカーネルを追加する理由には、(これに限らないですが)新しい種類のカーネルを追加する・より完全な、あるいはより精度の良いデータを含む既存のカーネルの新バージョンを追加する・エラーを含む既存のカーネルに取って代わる既存カーネルの新バージョンを追加する、などがあります。 もし2つ以上のメタカーネルがある場合は、最新のバージョン番号を持つファイルが全ての古いバージョンに取って代わります。

メタカーネルはUNIXワークステーションのような環境で生成されていますが、これらはデータセットのrootディレクトリ(PATH_VALUESキーワードが`./data'に設定されており、'/'がパスのデリミタなので)からSPICEベースのアプリケーションに直接読み込めます。 これらのファイルのローカルコピーをつくり、メタカーネルファイルのPATH_VALUESキーワードをユーザーのシステムのデータセットの'data'ディレクトリの実際の位置を指すように、ユーザー自身で変更することが推奨されます。 これらのメタカーネルをUNIXワークステーション以外の環境で使用するには、全てのパス指定を'/'から'\'に置き換えることとUNIX流の行終端をユーザーのシステムの流儀の行終端に置き換えることを含めた変更が必要になるかもしれません。

データ処理ツール

引用

「あかつき」SPICEカーネルデータセットに基づいて論文を出版する際には、下記の論文またはデータセットを引用してください:

関連論文

過去のページ

コンタクト

このアーカイブとデータに関する質問の宛先:

村上 真也, 宇宙航空研究開発機構, murashin _AT_ gfd-dennou.org
山本 幸生, 宇宙航空研究開発機構, yukio _AT_ planeta.sci.isas.jaxa.jp