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気球搭載赤外線望遠鏡(BICE)による[CII] 線(158 μm)の銀河面広域サーベイデータの公開

電離炭素原子の禁制準位間遷移による微細構造線[CII](157.7 μm)は最も強い遠赤外線ラインで、 広く銀河系の星間空間に分布していることが分かっています。宇宙科学研究所は、1990年代初期に、液体ヘリウムによって 極低温に冷却された分光器を観測気球(BICE)に搭載し、広い銀河面にそって[CII]線による広域サーベイを行いました。掃天領域は、銀経−110度から+30度、 銀緯−4度から+4度の範囲です。今までに北天のデータのみが報告されていましたが、この度、残りの南天のデータ解析を行い、北天のデータと合わせて公開することにしました。 30年近く経っても、この種の観測はされたことがなく、水素原子の21 cm電波、一酸化炭素分子の2.6 mm電波線と同様、銀河系内の星間空間の物理、化学環境、並びに銀河系の大局構造の研究に有用な資料として役立つことが期待されます。 (2018年3月)


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最終更新日: 2018年05月07日