M-Vロケット

更新:2002年7月

 Mu(ミュー)ロケット計画は、 バンアレン帯の外を探査するための ロケット開発として始まりました。 それは、科学衛星の打ち上げによって発展し、ついに M-Vロケットを製造するに至りました。

 初代のMuロケットは4段式のM-4S で、1971年と1972年に衛星を打ち上げました。
 2代目は、3段式のM-3Cロケットでした。M-3C は、 1974年に 「たんせい2」、 1975年に「たいよう」、 1979年に「はくちょう」を打ち上げています。
 3代目はM-3Hで、1970年代後半の打ち上げに使われました。
 4代目のM-3Sは、1980年代初期、 「たんせい4」、 「ひのとり」、 「てんま」、 「おおぞら」の打ち上げに成功しています。

 5代目のロケットは、M-3SIIでした。 1段目モータはM-3Sと同じものを使用し、2・3段目モータを新たに開発しました。この改良によって、ロケットの打ち上げ能力を向上させています。 M-3SIIは最初に2つの衛星を打ち上げました。それが日本最初の惑星間探索機、 「さきがけ」と 「すいせい」でした。 2つ共、ハレー彗星を調査するために、 1985年に打ち上げられました。その時以来、 「ぎんが」、 「あけぼの」、 「ひてん」、 「ようこう」、 そして「あすか」と、 全てM-3SIIによって打ち上げています。M-3SIIの最後に予定されていた「EXPRESS」は、1995年1月に打ち上げられました。

 M-Vロケットの予算が認められたのは、1990年です。 M-Vは3段式 (+キックモータ ) の固形燃料ロケットで、 地球低軌道に1800kgの衛星を、 「はるか」のような超楕円軌道に800kgの衛星を載せることができます。 M-Vは、その最初の2段部分のみで、M-3SII全体と同程度の燃料を使用します。 M-Vロケットの地上燃焼試験は、 能代ロケット実験場で、1994年から1995年にかけて行われました。

 M-Vロケットには、様々な新素材・新技術が採用されています。 新技術の試験、M-Vロケットの構成・展開図はこちらからご覧になれます。

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  ・ISASニュース 「M-V」特集号(No.194 1997.5)

L-4S M-4S M-3C M-3H M-3S M-3SⅡ M-V
全長(m) 16.5 23.6 20.2 23.8 23.8 27.8 30.7
直径(m) 0.735 1.41 1.41 1.41 1.41 1.41 2.5
全重量(ton) 9.4 43.6 41.6 48.7 48.7 61 139
打ち上げ能力(kg) 26 180 195 300 300 770 1800

詳細は ロケット のページを参照してください