M-V-1号機発表文

M-V-1号機発表文

平成9年2月12日
宇宙科学研究所
観測ロケット実験班

 M-V-1号機は、日本標準時の平成9年2月12日13時50分、ランチャ設定上下角82.6°、方位角92.9°で発射されました。
 第1段の燃焼と飛翔は正常で、発射後75秒に第1段の切離しと第2段の点火が同時に行われました。 第2段の燃焼と飛翔も正常で、発射後197秒ノーズフェアリングを正常に開頭しました。 発射後215秒には第3段のノズルを正常に伸展し、その3秒後第3段モータが点火されました。 第3段の燃焼と飛翔も正常で、燃焼終了後毎秒0.8回のスピンにより上段の姿勢を安定させました。 第4段は、コマンド電波による点火秒時の修正に従い、発射342秒後にノズルを伸展、その2秒後に高度230kmにおいて正常に点火しました。 第4段の燃焼は正常で、第16号科学衛星MUSES-Bを予定の長楕円軌道に投入しました。
 宇宙開発事業団の勝浦及び小笠原追跡所では、それぞれ投入周回における電波を受信しました。 米国航空宇宙局ジェット推進研究所のサンチャゴ局(チリ大学)では日本標準時14時29分45秒、衛星からの電波を受信しました。 また国立極地研究所南極昭和基地でも日本標準時16時04分30秒に衛星電波を受信しました。
 軌道に乗ったMUSES-Bの国際標識は97005Aとなりました。 軌道要素の暫定値は、近地点220km、遠地点21,000km、軌道傾斜角31度、周期6時間11分です。 軌道に乗ったMUSES-Bは「はるか」(遥か)と命名されました。
 光学班は発射後172秒までロケットを追跡しました。本日の天候は晴れ、南東の風7m/sでした。
この実験においてロケット及び衛星電波追跡に協力された宇宙開発事業団、国立極地研究所、宮崎大学、米国航空宇宙局、 チリ大学並びに実験実施に協力された関係各方面に感謝します。
 これをもちまして、宇宙科学研究所の平成8年度第2次観測ロケット実験は全て終了しました。関係各方面に深甚の謝意を表します。

以 上