回転しているガスなどの物質が、強い重力を持った中心天体に引き付けられて落ちていくとき、天体のまわりに出来る土星の輪のような円盤状の天体を降着円盤といいます。
活動銀河核から放出される莫大なエネルギーの生成には、活動銀河の中心に存在する超巨大ブラックホールとこの降着円盤とが大きな役割を果たしていると考えられており、VSOP-2で探る科学テーマの目玉のひとつです。
またブラックホール、中性子星、白色矮(わい)星などの高密度星と、普通の恒星との連星系では、恒星の大気は高密度星に吸い取られていき、同様に降着円盤を持つと考えられています。
他にも、原始星のまわりにも降着円盤が出来ることが、電波や赤外線の観測によって明らかになりました。これらはやがて地球や他の惑星が生まれてゆく原始太陽系星雲のことで、一種の降着円盤と考えられています。