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プロジェクトの概要
超高感度天体観測計画
観測対象――3.惑星状星雲
3つ目の観測対象は惑星状星雲です。惑星状星雲とは恒星が時間とともに巨星へと進化し、その後、周囲のガスを星間空間へ放出したもので、いわば終末を迎えた星の残骸です。ガスを放出した後に残される中心星(白色矮星)は10万度という高温で強い紫外線を放射します。この紫外線によって照らされた周囲のガスが光っているのが惑星状星雲として観測されるわけです。
惑星状星雲には様々な形や大きさのものが知られています。ハッブル宇宙望遠鏡が観測した惑星状星雲の形(左図)は天文学者をも驚かす不思議なものでした。
こんな惑星状星雲はどのようにしてできるのでしょうか?
それを知るためには惑星状星雲の誕生の瞬間、つまり中心の星がガスを吹き飛ばしはじめる状況を観測することが重要になります。ウルトラコンパクトHII領域の場合と同じで、惑星状星雲も誕生の瞬間はとても小さな天体です。電波を放射していることは知られていても、どのような構造となっているのか描き出した観測例はありません。
GALAXYは数十ミリ秒角という角度分解能と高感度で惑星状星雲が誕生する瞬間を観測する予定です。恒星がガスを吹き飛ばし、惑星状星雲となり始める状況を観測することで、恒星の終末の研究に大きな貢献をできると期待されています。