技術編
観測装置
VLBI観測装置
以下の図は、VLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線干渉計)の観測装置を示したものです。
大まかに言うと、「観測所」では、天体からの電波を受信し、電気的に処理して「相関局」に送ります。「相関局」では各「観測所」から送られてきたデータを「相関器」という専用のデータ処理機にかけて、観測結果を得るわけです。
従来は、「磁気記録テープ」を使って観測データを送っていました。
現在開発している光結合型では、「観測所」と「相関局」間を光回線で結びます。それにより、実時間(リアルタイム)で観測結果を処理できるほか、従来より格段に大量のデータを処理できるようになります。
光結合型VLBI観測システムは、以下の各装置によって構成されます。
- 電波望遠鏡 : 従来の電波望遠鏡を使用します
- 受信機 : 従来の電波天文観測用受信機を使用します
- 高速サンプラ : 観測信号をサンプルしてデジタルデータに変換します。従来の機器も使えますが、より大量のデータを扱うために、実験開発が必要です
- 光端末(送信) : デジタル観測信号を光ファイバの回線にのせて送出します。この部分は従来のVLBI観測システムにないので、実験開発が必要です
- 光ファイバ回線 : デジタル観測信号を最大2Gbpsで伝送します
- 光端末(受信) : 光ファイバ回線で送られてきた信号を受信します。この部分は従来のVLBI観測システムにないので、実験開発が必要です
- 相関器 : 観測データを相関処理します。従来の機器も使えますが、より大量のデータを扱うために、実験開発が必要です