地上追跡局

tracking station
カテゴリー: 観測・運用関連

はるか」との間でデータの送受信を行う地上のアンテナ及びシステムを、地上追跡局といいます。

VLBI観測を行うためには「水素メーザー発振機」という装置が欠かせません。これは非常に高精度な時計の役割を果たすものです。VLBI観測では複数の電波望遠鏡での観測データを統合するために、高精度な時計で時間を合わせる必要があるからです。

しかし「はるか」の場合、宇宙空間の厳しい環境に水素メーザを持っていくことができません。そこで、地上追跡局から、時間調整の基準となる電波信号を送信するのです(これをアップリンクといいます)。この信号を「はるか」が受信することによって、水素メーザを搭載しているのと同じ役割を果たすことができます。

もうひとつ、VLBI観測に欠かせないものに記録媒体があります。観測データを記録する磁気テープやハードディスクのことです。 「はるか」の場合は磁気テープが使用されました。
しかし「はるか」の場合、磁気テープに記録しても、そのテープを地上に持って帰ることができません。そこで、「はるか」の観測データはリアルタイムで地上追跡局に送られます(これをダウンリンクといいます)。送られてきたデータは磁気テープに記録されます。

地上追跡局としては、日本にJAXA宇宙科学研究本部の臼田局、アメリカにNRAOグリーンバンク局DSNのゴールドストーン局、オーストラリアにDSNのキャンベラ局、スペインにDSNのマドリード局、以上の5局があります。

「はるか」特集号:臼田Kuリンク局 ISASニュースNo.221 1999.8