VLBI

Very Long Baseline Interferometry
カテゴリー: 観測・運用関連

VLBIとは、"Very Long Baseline Interferometry(超長基線干渉計)" の略称です。直訳すると「とっても長い基線をもつ干渉計」という意味です。
干渉計の技術を使って、遠い場所にある複数の電波望遠鏡が協力して観測を行うことを、VLBI観測といいます。
例えば、1km離れた望遠鏡が協力すると、直径(口径)1kmの望遠鏡を使って観測した場合と同じくらいの性能が得られます。

VLBIイメージ図

望遠鏡の間の距離(基線)が離れているほど(つまり直径が大きいほど)解像度が高くなり、精密な観測結果が得られます。
当初は望遠鏡を信号線で結んでいました。しかし1967年に、高精度の時刻基準装置とデータレコーダを使い、記録したテープを持ち寄って合成することに成功しました(左図)。

これにより、世界中の望遠鏡をひとつにすることができるようになりました。アンテナの間隔を約13,000 km(~地球の直径)まで伸ばせるようになったのです。
そして解像度の向上によって、活動銀河ジェットが1000倍のスケールで同じ形をしていること、ジェットの動きが見かけ上光の速度を越えていること、などが発見されました。

しかし、地球上ではこれ以上アンテナを離すことはできません。こうして、より高い解像度を求めて、電波望遠鏡を地球の外に置いて(宇宙に打ち上げて)VLBI観測するスペースVLBIのプロジェクト、VSOP計画が考案されました。現在はVSOP-2計画が進行中でしたが、2012年に中止となりました。
2011年にはロシアが、スペースVLBI衛星 Radioastronを打ち上げ現在運用中です。

VLBIの技術では、テープに記録する代わりに、電波望遠鏡間を高速度の光回線で接続する光結合VLBIも進められています。

また、銀河系の地図をつくるVERAのプロジェクトも、VLBI技術を用いて観測が行われています。