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OLIVEの概要GALAXYの概要電波天文学とVLBI超高感度天体観測計画

プロジェクトの概要

超高感度天体観測計画

観測対象――2.ウルトラコンパクトHII領域

2つめの観測対象は誕生したばかりの恒星周囲のガスです。星間ガスが集まって恒星が誕生し、誕生したばかりの恒星の強い紫外線でこんどは星間ガスが電離されて光り輝きます。

(NASA,ハッブル宇宙望遠鏡撮影)
矢印は凝縮した星間ガスから恒星が誕生しかかっている部分

このような天体をウルトラコンパクトHII領域(UCHII)といいます。国立天文台がハワイに建設したすばる望遠鏡が撮影したオリオン座大星雲の写真(下図)には、多数のウルトラコンパクトHII領域(矢印の部分)が写っています。

(国立天文台、すばる望遠鏡撮影)

これらのウルトラコンパクトHII領域は、恒星の強力な光線や恒星風によって、次第に吹き飛ばされたり蒸発したりすると考えられています。ウルトラコンパクトHII領域が放射する電波は既に観測されていますが、その名の通り、見かけの大きさが数秒角以下という非常に小さな天体なので、普通の電波観測では点のように見えるのが普通です。そのため恒星の光や恒星風との相互作用がどのように起きているのか、詳しくわかっているとは言えません。これまでのVLBI観測では逆に分解能が高すぎ、しかも感度が悪いため検出に成功した例が一つもありません。

ウルトラコンパクトHII領域の輝度温度はほぼ1万度程度と考えられています。GALAXYでは誕生したばかりのごく小さなウルトラコンパクトHII領域を観測し、世界初の検出を目指しています。観測に成功すれば、光り始めたばかりの星と星間ガスの相互作用、たとえば恒星風がガスを吹き飛ばしはじめる瞬間の様子などをとらえることができるのではないかと期待されています。


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