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OLIVEの概要GALAXYの概要電波天文学とVLBI超高感度天体観測計画

プロジェクトの概要

OLIVEの概要

OLIVEは、光回線を利用して高感度の電波天文観測実験などを行っています 。

OLIVEのために国立天文台野辺山宇宙電波観測所、宇宙科学研究所臼田宇宙空間観測所、国立天文台三鷹キャンパス、宇宙科学研究所相模原キャンパスが、2.5ギガビット毎秒のデータ伝送能力を持つ光ファイバ回線で結合されました。野辺山と臼田にはそれぞれ口径45m、64mの電波望遠鏡があり、天体の観測信号が送り出されます。三鷹と相模原には相関器があり、観測信号を相関処理します。

また、臼田には電波望遠鏡人工衛星「はるか」で観測された信号を受信する10mのアンテナがあります。「はるか」の観測信号も伝送されてリアルタイムで処理できるようになりました。


電波干渉計

電波干渉計とは、複数の電波望遠鏡の観測データを合成して超高分解能を達成する装置のことです。

望遠鏡間が遠く離れているほど高分解能が得られるため、各アンテナの受信データを記録したテープを持ち寄って合成する技術(これをVLBI:超長基線干渉計という)により、世界中の電波望遠鏡の記録データを合成した観測が行われています。現在では宇宙に打ち上げた電波望遠鏡(人工衛星「はるか」)とも連携したスペースVLBI計画も実現して、光学望遠鏡の100倍もの分解能を達成しています。

しかしVLBIなど電波干渉計では、感度に限界があることが課題でした。処理データ量が多いほど感度が高くなるのですが、現在、世界標準の磁気テープの記録速度は128〜256メガビット毎秒と遅いので、高感度が実現できなかったのです。


光結合

光ケーブルによる超高速データ伝送回線で望遠鏡を結合することにより、磁気テープの記録速度を超えた高感度観測を目指しています。

1995年、我々はNTTとともに光回線を利用したリアルタイムVLBIの研究を開始しました。この実験はOLIVE(Optical LInked Vlbi Experiment)と命名され、野辺山宇宙電波観測所と宇宙科学研究所臼田観測局からNTT武蔵野研究所へ、そして三鷹相関局・宇宙研相模原「はるか」運用室へと光ファイバが敷設されました。
実験で使われている光回線はATMネットワーク(STM-16)で、最高データ伝送速度は2ギガビット毎秒です。これは磁気テープの記録速度をはるかに超えています。

様々な実験開発を経て、1998年9月1日には臼田−野辺山間のリアルタイムVLBI観測に成功しました。


OLIVEの特長


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