スペクトル

spectral
カテゴリー: 観測・運用関連
スペクトル

可視光線をプリズムに当てると、各色に分かれた光の帯ができます。これをスペクトルといいます。
実は可視光も電磁波と呼ばれる大きなくくりの一種で、電磁波は、電波赤外線、可視光線、紫外線X線γ(ガンマ)線など、波長周波数)で分類されます。

スペクトルは普通、横軸に波長や周波数をとり、縦軸に電磁波の強さをとって表します(左図)。特定の波長の電磁波を放射したり吸収したりしていると、このスペクトルの中に、細長い山(または谷)ができます。これをスペクトル線といいます。原子や分子は、特定の波長の電磁波を強く放射したり吸収したりする性質があるのです。

電磁波が強くなっているスペクトル線を輝線といい、吸収されて弱くなっているスペクトル線を吸収線、または暗線といいます。

上図は野辺山45m電波望遠鏡で観測されたセイファート銀河「IC 2560」 から放射される、水蒸気メーザーのスペクトルです(石原ほか 2001)。
水蒸気分子のガス雲の観測者に対する速さの違いにより、 いろいろな周波数に電波のピークが発生しています。

※横軸の周波数は、ガス雲の太陽近傍の星あたりの基準点に対する速度に計算しなおした値です。