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観測・成果編

GALAXYの観測成果

HR1099

 HR1099とは太陽系から約120光年離れた位置にある恒星です。太陽系から見ると牡牛座の西のはずれにあり、明るさは約5.9等級です。条件がよければ肉眼でも見つけることが出来ます。
HR1099は単一の星ではなく、非常に接近した二つの恒星が 周期2.837日で公転する近接連星です。

 HR1099が普通の星と違う点は、強い電波を放射することです。
夜空を見上げるとたくさんの星を見ることができますが、電波望遠鏡で観測できるほど強い電波を放射する恒星はほとんどありません。
そのわずかな例外の一つがHR1099なのです。しかもHR1099が放射する電波は強さが激しく変化することが 知られています。普段はほとんど観測できないほどの弱い電波しか出していないのに、ある時には突然電波の強さが10倍以上も強くなる 「フレア」という現象を起こします。フレアは数時間ほど続いて、また定常状態に戻ると考えられています。

 HR1099のこれらの特異な性質は研究者の興味を引き、 様々な観測と理論的な研究が行われてきました。 しかし電波を放射する物理的なメカニズム、またフレアがどうやって起こるのか、といった基本的な問題も十分には解決できていません。
それはHR1099が小さな天体であり、十分な角度分解能で観測出来なかったことや、フレアがいつ起きるのか予想できないため、観測を行うことが困難だったからでした。

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