ギャラリー
はるか:VSOPが実現した高分解能画像
取得年月日: 1997年07月21日
衛星名:はるか
センサー名:VSOP
電波観測は、複数の電波望遠鏡(アンテナ)で同時に観測を行い、そのデータを合成処理することで、位置分解能(視力)をあげることができる。このような技術をVLBI(Very Long Baseline Interferometry, 超長基線干渉計)という。直訳すると「とっても長い基線をもつ干渉計」という意味だ。 例えば、1km離れた望遠鏡が協力すると、直径(基線)1kmの望遠鏡を使って観測した場合と同じくらいの性能が得られる。 技術の進歩によって、1967年には世界中の望遠鏡の観測データをひとつにすることができるようになり、最大で地球の直径と同程度の基線を実現することができるようになった。
さらにVSOP(VLBI Space Observatory Programme, VLBI技術による人工衛星天文台計画)では、電波望遠鏡「はるか」を宇宙空間に打ち上げ、「はるか」と地球上の望遠鏡の観測データを合成処理することにより、地球の直径の3倍もの基線を実現した。
画像は2つとも「とかげ座BL型天体」の観測データで、左は「はるか」を含むVSOPによる観測データ、右は地球上でのVLBI観測データである。左の画像は右の画像に比べて約3倍の位置分解能を達成しており、より細かい構造を見ることができる。