はるか

VLBI Space Observatory Programme (VSOP) / HALCA (MUSES-B)

ミッションの解説

概要

VSOP(VLBI Space Observatory Programme)は、電波天文衛星 「はるか (MUSES-B)」と、25 台以上の地上電波望遠鏡アレイによる超長基線干渉(VLBI)と、5 つの追跡局、3 つの相関局を含む大規模な国際共同観測計画です。

「はるか」は、1997年2月12日に鹿児島宇宙空間観測所(現:内之浦宇宙空間観測所)から M-V ロケットによって打ち上げられました。
重量約 830 kg、1.5 m x 1.5 m x 1.0 m の直方体で、上部に最大径10m(有効径8m)の大型展開アンテナを備え、近地点高度 560 km、遠地点高度 21,400 km、軌道傾斜角 31 度の長楕円軌道を、1周約6時間20分の速さで周回しました。
この軌道上の「はるか」と地上電波望遠鏡アレイによる同時観測により、地球の直径の約 3 倍という長い基線を持つスペースVLBI(超長基線干渉法)観測が可能となり、地球上での観測をはるかに凌ぐ最高分解能での撮像観測が実現されました。

2005年11月30日に運用を終了するまでに、科学レビュー委員会とVSOP国際科学会議に決定された重要天体と公募観測天体について、総計で700回以上の観測が行われました。

観測装置

Radio Telescope

「はるか」の主な観測装置は、有効直径 8 m のメインリフレクターを持つ電波望遠鏡です。このリフレクターは、金メッキされたモリブデンワイヤーのメッシュで構成されており、6本の伸縮可能なマストにより支えられています。望遠鏡はカセグレン光学系を使用しており、直径 1.1 m の円に内接する六角形のサブリフレクターを備えています。サブリフレクターはメインリフレクターの表面から 3.4 m 上に配置されています。

観測に用いる周波数は、1.60 - 1.73 GHz、4.7 - 5.0 GHz、22.0 - 22.3 GHz の予定でしが、打上げ直後に、22 GHz 帯が大変低い感度に落ちていることが判明したため、観測は 1.6 GHzと 5.0 GHz で集中的に行われました。

得られた成果

「はるか」は世界で初めて 8 m という巨大アンテナを宇宙空間での展開することに成功し、また、地上の観測装置と連携してスペースVLBI干渉システムを確立する、という工学的な技術を実証しました。

VSOP 観測では、活動銀河核のジェットなどの最高解像度の画像を得ることに成功し、いままでまっすぐに伸びていると考えられていたジェットの内部構造が、より複雑な構造であることが明らかにされました。また、活動銀河核のジェットの影を通して、活動銀河核の周りにあるプラズマ円盤の存在と状態を明らかにしました。さらに、サーベイ観測などにより、多くの高輝度温度天体を確認しました。

参考文献

データセット一覧

観測装置/データ ID 概要
VLBA vlba-pre-launch-observation-data 「はるか」打ち上げ前 VLBA観測(VLBApls)データ
VSOP vsop-correlated-data VSOP 相関処理済みデータ
VSOP vsop-5ghz-agn-survey VSOP 5GHz AGNサーベイプログラムデータ