天体の名称

カテゴリー: 物理・天文学関連

可視光で見える天体には、ギリシャ神話やギリシャ語にちなんだ名前がよく知られています(アンドロメダやアルタイル、ベガなど)。しかし、すべての天体にそのような名前が付けられているわけではありません。

目に見えないものも含め、宇宙には数多くの天体が存在しますが、それらの天体はさまざまなカタログにまとめられています。カタログに記載された天体は、カタログの名前の略号の後にカタログの通し番号をつけて表します。
はるか」によるVSOPを含め、VLBI観測の対象となる天体は、以下のようなカタログに記載されています。

  • メシエカタログ
    フランスの天文学者メシエが1771年に出版しました。広がった天体(星雲、星団、銀河)のカタログです。M1からM110まで、107個の天体が収められています(数が合わないのは欠番があるためです)。
  • NGCカタログ
    デンマークの天文学者ドライヤーが1888年に発表した、広がった天体(星雲、星団、銀河)のカタログです。NGCとはニュー・ジェネラル・カタログ(New General Catalogue)の頭文字を採ったものです。計7,840個の天体が納められています。改訂NGC(RevisedNGC)もあります。
  • ケンブリッジカタログ
    ケンブリッジ大学で作成した電波源のカタログです。たとえば「3C273」は、第3版の273番目の登録天体という意味です。

複数のカタログに記載されている天体も多くあります。たとえば、アンドロメダ銀河は「M31」あるいは「NGC224」です。

それ以外に、赤道座標で表した名称もあります。たとえば「1921-293」は、赤経19時21分・赤緯-29度3分に位置する天体という意味です。