超新星

supernova
カテゴリー: 物理・天文学関連

恒星が急激に光を増して太陽の100億倍もの明るさに輝き、以後1?2年かかって暗くなっていくことをいいます。

超新星爆発は星の進化の最期に起きる大爆発で、莫大なエネルギーが放出されます。そのため、周囲に衝撃や加熱など大きな影響を与えます。宇宙の進化の上でも重要な現象です。
超新星爆発を起こすのは、およそ太陽の約4倍以上の質量がある星です。太陽質量の8倍以上あった星は、爆発後に中性子星ブラックホールになると考えられています。

超新星爆発は、星の内部でおこる核融合反応によって作られた、ヘリウムより重い元素(炭素、酸素、窒素、硅素、鉄など)を宇宙空間に放出します。これらの重元素は、新たな星の形成に使われます。我々の体や地球を構成している元素はみな星の中で作られたものです。

銀河系では、西暦185年以来、少なくとも8回の超新星が出現したことが、日本を含め世界各国の記録に残されています。


VLBAで捉えた超新星SN 1993Jの膨張。左上の最も小さい点が1993年5月17日、右下の最も大きいものが2000年2月25日の観測。

なかでも1987年に出現した大マゼラン雲の超新星SN1987Aは、爆発当初からつぶさに科学的観測が行われた最初の超新星でした。SN1987Aは肉眼で見えるほどの近距離(地球から約15万光年)にあります。
宇宙科学研究機構のX線天文衛星「ぎんが」が、この超新星からのX線をとらえ、大きな成果を挙げました。また、岐阜県神岡町にある東京大学の施設「カミオカンデ」(当時)では、爆発時に発生したニュートリノという粒子が検出されています。その後、中心部に中性子星が生まれたことが観測されました。
1993年にも、おおぐま座のM81に出現した超新星SN1993J(質量は太陽の15?20倍)が観測されています。 (図)

超新星爆発の後、爆発で吹き飛んだガスは球殻状に広がって、超新星残骸を作ります。
超新星残骸は数光年?100光年ぐらい広がっているものが確認されていますが、大きくなるほど暗くなります。爆発で放出したガスと、周りの星間ガスが衝突している衝撃波の近くではガスが高温に加熱され、X線などを放射します。また、加速された高エネルギー電子が、磁場で電波を放射しています。

超新星残骸で有名なものには、かに星雲(1054年の超新星)、チコの超新星残骸(1572年の超新星)、ケプラーの超新星残骸(1604年の超新星)、はくちょう座の網状星雲(約17000年前の超新星)などがあります。