ブラックホール

black hole
カテゴリー: 物理・天文学関連

重力が強いため、最も速い速度(光速)でも、脱出することができない星です。
電磁波)が脱出できない範囲(事実上ブラックホールの大きさ)は、シュバルツシルト半径であらわされます。

光さえ出てこられないので、「ブラックホール(黒い穴)」としてしか見えず、観測も不可能です。しかし、その重力が周囲に及ぼす影響を観測することによって、ブラックホールの存在を知ることができます。

銀河系にあるはくちょう座のX線天体シグナスX-1は、超巨星とブラックホール(質量は太陽の10倍程度)の連星です。超巨星から流れ出すガスがブラックホールに流れ込んで降着円盤を作り、強い重力で加熱されてX線を放射しています。

ブラックホールは、恒星の最期、自らの重力によって収縮を続けた結果として生じます。

ただし質量があまり大きくない恒星では、収縮の途中で中性子の縮退圧によって支えられるためにブラックホールにはなれません。ブラックホールになるのは、太陽の約20倍以上の質量がある恒星と考えられています。

また、我々の銀河の中心には質量が太陽の100万倍から10億倍の超巨大ブラックホールが存在していると考えられています。

クェーサーなどの活動銀河核は膨大なエネルギーを放射していますが、これも巨大ブラックホールにガスが流れ込んで解放される重力エネルギーとすれば説明することができます。

1994年、ハッブル宇宙望遠鏡>は、M87銀河の中心にこの超巨大なブラックホール(太陽質量の30億倍程度)がいるという新たな証拠を発見しています。

X線天文衛星「あすか」も、ブラックホールを観測して成果を挙げています。