更新:2002年7月
Q. | VSOPとは何ですか? |
A. |
人工衛星「はるか」と、
地上にある世界中の電波望遠鏡が協力して天体観測を行う、
スペースVLBI計画のことです。
"VLBI Space Observatory Programme(VLBI技術による人工衛星天文台計画)"の頭文字をとってVSOPといいます。 (VSOPというお酒のお世話になっている関係者も多いのですが、決してお酒から採った名前ではないそうです・・・ホントかな?) |
Q. | VLBIとは何ですか? |
A. |
遠い場所にある複数の電波望遠鏡が、
協力して天体観測を行うことです。 例えば、1km離れた望遠鏡が協力すると、直径(口径)1kmの望遠鏡を使って観測した場合と同じ位、細かい観測結果が得られます (これを「解像度が高い」といいます)。 望遠鏡の間の距離のことを「基線」といいます。 基線が離れているほど(つまり直径が大きいほど)、解像度が高くなります。 観測したデータは磁気テープに記録し、時間を精密に合わせて合成します。 この技術によって、世界中の望遠鏡をひとつにすることができるようになりました。 基線が、地球の直径と同じ長さになったのです。 スペースVLBI観測計画では、電波望遠鏡を搭載した人工衛星「はるか」 を宇宙に打ち上げて、地球より3倍も大きな基線を実現しています。その観測には、世界中の電波望遠鏡が協力しています。 VLBIというのは、"Very Long Baseline Interferometry(超長基線干渉計)" の略称です。とっても長い基線をもつ干渉計という意味です。 |
Q. | 干渉計とは何ですか? |
A. |
複数の電波望遠鏡をつないで、それぞれの観測データを合成する観測設備です。普通は同じ敷地内の望遠鏡をケーブルで受信機につないで合成します。
先に説明したVLBIもVSOPも、干渉計の技術が基になっています。できるだけ大きな電波望遠鏡に匹敵する観測を行うための努力です。 |
Q. | なぜ、そんなに大きな電波望遠鏡が必要なの? |
A. |
大きな望遠鏡で観測するほど、解像度が高くなる
(天体の細かい部分まで見えるようになる)からです。 電波も、 可視光と同じ 「電磁波」という種類の波です。 波の性質で、波長(波の山と山の間隔の長さ)が長いほど解像度が低くなってしまいます。 観測する電波は、可視光より、1万倍ほども波長が長いため、光学望遠鏡と同じ解像度にするなら、 電波望遠鏡には1万倍の大きさが必要なのです。100メートル級の電波望遠鏡を作っても、やっと人間の目と同じくらいにしか見えません。 しかし干渉計の技術が開発されて、電波での観測は光よりもずっと高い解像度が得られるようになりました。 |
Q. | なぜ、電波で宇宙の観測をするの? |
A. |
宇宙の電波を観測すると、光では見えない宇宙の姿がわかるからです。 可視光や電波のほかにも、赤外線や X線など、 いろいろな電磁波の波長域で宇宙の観測は行われています。同じ天体を観測しても、それぞれ、天体の姿はまったく違って見えます。 いろいろな視点から観測していくことが、宇宙の本当の姿を知ることになるのです。 |